業務案内-医療法人|後藤会計事務所

後藤会計事務所

医療法人

経営相談、記帳代行、税務申告業務のみならず、医療法人設立手続、事業承継、金融機関との交渉、医業原価の削減などのサービス提供


医療法人個人で開業されている医師、歯科医師の先生方は、医療法人を設立したほうが節税につながる場合が多いので、医療法人の設立を検討されたほうが望ましいと思われます。

また、持ち分の定めのある医療法人社団を設立されている事業者様は、医療法人の出資持分の税務上の評価額が高額になる傾向にあるため、相続対策、事業承継対策をお早めに検討されたほうが望ましいと思われます。

当事務所が関与することによって、医師、歯科医師の先生方の診療以外の業務負担を軽減することを目的としています。

 

 

医療機関向けのサービス内容

1.開業支援

おおむね開業の1~2年前程度から開業準備を行う場合が多くあります。開業前に多くの意思決定を行わなければならず、医師または歯科医師の先生方は専門外であることが多いため、当事務所などが開業支援を行うことによって円滑な開業を行えるようにします。
具体的には以下のような事項を事前に判断する必要があります。

  1. 開業場所の選定(不動産購入or賃借)
  2. 事業計画書の作成
  3. 投資額の決定
  4. 資金調達(借入額の決定、借入金の返済計画の立案、金融機関との交渉など)
  5. 人材採用~開業準備(就業規則の作成等)

2.医療法人の設立

医療施設を開業した直後は個人で開業することになりますが、個人で一定の所得が発生した場合、多額の所得税が必要となります。その場合、医療法人を設立することによって、税金の負担が減少する場合があります。例えば、所得税の最高税率は40%(住民税10%を合わせると50%-平成27年度からは所得税45%、住民税との合計55%に引き上げられる予定)ですが、法人税の税率は25.5%(復興特別法人税を加えて28.05%、住民税等の負担を合わせて30数%)なので、税率の比較だけでも減少する場合があります(それぞれ事業税を除く)。また、医療法人を設立することによって、医療の安定化、医療施設の社会的な信用が増加するといった効果も見込まれます。

医療法人を設立するためには、都道府県知事又は厚生労働省(複数の都道府県に医療機関を開設している場合)の認可が必要となり、設立認可のために以下のような設立要件を満たし、かつ、設立申請書類を提出する必要があります。

当事務所では、医療法人設立の手続及び医療法人を設立した場合のメリット、デメリットを医療施設の経営者の方に説明し、必要な事務手続きを代行することが可能です。

 

<設立要件>

  1. 2ヶ月分の運転資金(残高証明書等で証明)
  2. 病院及び介護老人保健施設の土地又は建物のいずれかを所有していること。ただし、土地又は建物の大部分を所有している場合は、残りの一部分を賃借する場合であっても認められる。
  3. 診療所の場合には、賃貸借契約でも契約期間が長期間(おおむね10年以上)であれば認められる。
  4. 親族からの賃借の場合は賃貸借登記を行うことが望ましい(期限の定めのない(自動更新)契約であれば認められる場合が多い)。
  5. 理事3名以上、監事1名以上(理事を1名または2名とする場合には、社員3名以上いることが望ましいとされる)

個人での開業実績がない場合には、医療法人の設立はできない(独立開業直後に医療法人を設立することは不可能)。

直近の決算(個人の確定申告書)が黒字であること。

 

[法人と個人の税額比較-概算]

(1) 課税所得金額1,000万円の場合

単位:円

 

個人

法人

役員報酬前利益

11,000,000

役員報酬

8,400,000

差引:法人課税所得

2,600,000

法人税等(実効税率36%)

936,000

個人所得金額

11,000,000

6,360,000

所得控除

1,000,000

1,000,000

個人課税所得

10,000,000

5,360,000

所得税

1,764,000

644,500

住民税

1,000,000

536,000

税額合計

2,764,000

2,116,500

 

(2) 課税所得金額2,000万円の場合

単位:円

 

個人

法人

役員報酬前利益

21,000,000

役員報酬

15,000,000

差引:法人課税所得

6,000,000

法人税等(実効税率36%)

2,160,000

個人所得金額

21,000,000

12,550,000

所得控除

1,000,000

1,000,000

個人課税所得

20,000,000

11,550,000

所得税

5,204,000

2,275,500

住民税

2,000,000

1,155,000

税額合計

7,204,000

5,590,500

 

 

3.医療法人の種類

(1) 持分の定めのある社団医療法人

平成19年3月31日までは、持分の定めのある医療法人が設立可能でした。 現在、ほとんどの医療法人がこの形態で設立されています。現在、持分の定めのある社団医療法人を新規に設立することはできません。 定款に

  1. 退社した社員は、その出資額に応じて払戻しを請求することができる
  2. 解散した場合の残余財産は、払込済出資額に応じて、各社員に配分するものとする といった規定がある医療法人です。 社員の出資持分に対して払戻し請求権があり、相続税の課税対象財産となります。

税率は、株式会社と同じ(ただし、社会保険診療報酬に対する事業税は非課税)です。

 

(2) 出資額限度法人

定款に

  1. 持分の払戻しについては、出資した金額を限度とする といった規定がある医療法人です。持分の払戻し請求権が異なるだけで基本的に持分の定めのある社団医療法人に分類されます。

社員の出資持分に対する払戻し請求権は出資額に限定されるが、相続税の課税財産となる点は(1)と同じとなります(相続税評価額も同じ)。

平成19年4月1日以降は新規設立ができなくなりました。ただし、(1)からの定款変更は可能となります。

 

(3) 基金拠出型医療法人

持分の定めのない社団医療法人の一種になります。

平成19年4月1日以降から設立可能となりました。

設立者が医療法人に出資するのではなく、基金を拠出することになります。

基金→債権の一種

(例:10年後に一括返済、無利息)

持分の定めがないため、払戻し請求権は発生しないという特徴があります。ただし、債権(基金)の返還義務は生じます。また、債権であるため、基金の拠出額がそのまま相続財産として評価されます。

 

(4) 出資持分のない医療法人

(3)の基金が存在しない組織形態になります。

医療法人新規設立の場合には、2ヶ月分の運転資金が必要であるため、基金拠出型医療法人のほうが手続きしやすいといえます。

 

(3)、(4)の場合には、持分の定めがないため、医療法人を解散する場合の残余財産は、国・地方公共団体・社会医療法人など公益的な組織・団体に帰属させる旨の定款規程が必要になるため注意が必要となります。

 

(5) 社会医療法人

  1. 「救急医療等確保事業」を行っていること(救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療等)。
  2. 法人の運営状況に公益性のあること(持分の定めなし、社員等の親族割合3分の1以下であること。
  3. 残余財産の分配を国又は地方公共団体又は他の社会医療法人に帰属させること。

 

などの要件を満たした医療法人をいいます。設立要件が厳しいため、容易に設立することは困難ではありますが、以下のような税制上のメリットがあります。

医療保険業に対する法人税:非課税
収益事業に対する法人税:軽減税率

 

(6) 特定医療法人

  1. 医療の普及及び向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして厚生労働大臣の証明書の交付を受けること。
  2. 社員等の親族割合が3分の1以下であること。
  3. 残余財産の分配を国又は地方公共団体又は他の医療法人(財団又は持分の定めのない社団に限定)に帰属させること。
  4. 役職員1名あたりの年間給与額が3,600万円を超えないこと。
  5. 40床以上(救急診療所は15床以上)。
  6. 救急病院であること。
  7. 特別室が30%以下であること。

などの要件を満たした医療法人をいいます。設立要件が厳しいため、容易に設立することは困難ではありますが、以下のような税制上のメリットがあります。

法人税:軽減税率(所得金額年800万円以下の部分15%、年800万円超の部 分19%)

ただし、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間内に最初に開始する事 業年度開始の日から 同日以後3年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度については、復興特別 法人税が10%加算されます。 (所得金額年800万円以下の部分16.5%、年800万円超の部分20.9%)

 

 

4.事業承継

医療法人の90%以上は持分の定めのある社団医療法人になります((1)または(2))。

→出資持分の払戻し請求権があり、出資持分が相続財産として課税されてしまうことになります。

高収益の医療法人の場合、剰余金の大半を医療用施設(土地、建物、医療機器)に設備投資していることが多く、出資持分に対して多額の相続税が課税された場合、税金の資金負担が困難になるケースが発生しています。また、経営に直接関係しない相続人が出資持分の払戻し請求権を行使することによる資金負担も問題となります。

→医療法人は、中小企業に該当しないため、事業承継税制を適用することはできません。

では、どうすればいいか?
といったことをご相談いただければと思います。